父マヌエルの死の4日後に収録されたというアントニオ・アグヘータ「ポル・ヌエストロ・ビエン」(’17)

狂気のゆくすえ

 正月早々から大変な災難が日本の各地で起こり、本コーナーもこうした追悼記事からの幕開けとなりますが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 2023年12月27日(スペイン現地時間)に逝去したアントニオ・アグヘータは、つい先月、本コーナーに登場したばかりのドローレス・アグヘータの弟で、1966年生まれ、享年57という若さでした。

 早くに才能を認められながらも、10代後半からの12年間の刑務所暮らしが、その後の人生を決定づけたことは間違いなく、父マヌエルや祖父アグヘータ・ビエホから受け継いだヘレス&カディスの「カンテ・ヒターノ」の伝統に、異様なほどの“狂気”をにじませた歌いぶりが、最大の特徴でした。

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