モントルー・ジャズ・フェスティバルでのパコ・デ・ルシア名演集「ザ・モントルー・イアーズ」(’23)

年末年始のフラメンコタイムに!

 今年も本日を含めてあと四日。まだ仕事がある人も、もうお休みに入っている人も、ほっと一息つく、あるいはラスト・スパートに「フラメンコ」は欠かせないはず。とはいえ一体どれを聴けばいいのやら‥‥そんな方々へおススメの、珠玉のベストセレクション10作品、2023年週刊レトラ編です!

★10位「Antología(アントロヒア)-La() mujer(ムヘール) en(エン) el(エル) cante(カンテ)」(’23)/Carmen(カルメン) Linares(リナーレス) 

 1999年に邦題「カンテ・フラメンコの女王~カルメン・リナーレスの世界」(2枚組)で発売の名盤が先の11月に復刻! ニーニャ・デ・ロス・ペイネスやぺルラ・デ・カディス、レポンパ・デ・マラガ、フアナ・クルス(カマロンの母)といった、歴代女性名手のクラシカルなスタンダードを、当時40代後半のカルメン・リナーレスが敬意を込めて歌い上げます。ビセンテ・アミーゴ、トマティート、フアン&ペペ・アビチュエラ、ラファエル・リケーニ、ペリーコ・エル・デル・ルナール、モライート・チーコら、伴奏陣も驚きのビッグネームばかり。

★9位「Al(アル) Baño(バーニョ) María(マリア)」(’23)/María(マリア) Peláe(ペラエ)

 マラガ出身、30代美貌歌手マリア・ペラエのファッショナブルな最新フラメンコ・フュージョン作。先月末(11月30日)に本コーナーで取り上げた、同世代の国民的歌手メロディーと組んだルンバ「プティキータ」や、ブレリア「レミテンテ」など、ビビッドなコンパス感の奥底に滲む、衒いの無いストレートな表現力が、年末年始の賑やかなパーティ・チューンに一役買いそうです。

★8位「Por(ポル) La() Tangente(タンヘンテ)」(’23)/Diego(ディエゴ) Guerrero(ゲレーロ)

 地元の悲劇的なカリスマギタリスト、ニーニョ・ミゲルを尊敬するウエルバのカンタオール&ギタリスト、ディエゴ・ゲレーロ(1982年生まれ)の最新作。ティンバ(キューバ伝統音楽に根付いたサルサ系リズム)をフラメンコ化したタイトル曲「ポル・ラ・タンヘンテ」を筆頭に、スピーディなグルーヴを武器にブレリア、タンギージョ、ルンバ、タンゴなどを一気呵成に畳み掛けてきます。最先端の音楽エッセンスをフラメンコへ凝縮したような雰囲気。2023年ラテン・グラミー「ベスト・フラメンコ・アルバム」候補作です。

★7位「Agustisimísimo(アグスティシミシモ)」(’23)/Tomasito(トマシート)

 歌って踊れる異色の天才芸人トマティートが、パンデミアを乗り越えて発表した、極上フラメンコ・スイーツ。ヘレス・サンティアーゴ仕込みのナンセンス・ギャグが散りばめられた歌詞の数々は、軽やかな日常を愉しむアンダルシア街中の息遣いが伝わります。「みんなにも一杯だ、僕につけてよ!」(3曲目Los(ロス) Bares(バレス))、「ワインがこのレトラを僕に言ったんだ、鼻を濡らして飲んでる時にね」(4曲目Freiduría(フレイドゥリーア))。お好みのグラスを傾けながらぜひ!

★6位「Camino(カミーノ)」(’23)/Niña(ニーニャ) Pastori(パストーリ)

 2023年のラテン・グラミー「ベスト・フラメンコ・アルバム」受賞作。ニーニャ・パストーリの抜群のフラメンコ・ヴォーカル、作曲家でギタリストの夫チャボリとのタッグは円熟の境地へと達しています。純粋なフラメンコ曲種は少ないですが、5曲目の「Y() De() Repente(レペンテ)」では「パコよ弾いて、カマロンよ歌って/バタ・デ・コーラでローラよ踊って/カラコールの響きよ(よみがえ)って」と、オールドファンを微笑ませるレトラを披露してくれます。

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