ルンバ:ベルデ

 ルンバ・シリーズの第4弾は、20世紀のスペイン文学とのコラボレーションから生まれた名作ルンバを紹介しよう。「Manzanita(マンサニータ=小さなリンゴ)」の意味を持つ芸名で知られたホセ・マヌエル・オルテガ・エレディアが、1970年代終盤に放った大ヒット曲、「ベルデ」だ。この曲の人気を決定的なものにしたのが、カルロス・サウラ監督の『フラメンコ』のラストを飾るライブ・バージョン。こちらは当時スペイン国内で流行をみていたフラメンコ・ロックのスター、ケタマとのコラボレーションで、ケタマのメインボーカルであるアントニオ・カルモナとの掛け合いで唄っている。その軽やかなノリが、さらに多くのファンを獲得した。画面を埋め尽くして踊る少年少女の映像を記憶に留めている方もいらっしゃるだろう。マンサニータはその後も順調にヒットを飛ばしていくが、2004年、心臓発作のため48歳の若さで急逝する。サウラ監督の『フラメンコ・フラメンコ』にも「ベルデ」は、今度は幕開けの1曲として使われているが、やはりオリジナルの魅力には敵わない。

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