ソレア

 数あるフラメンコの演目の中でも、とりわけ人気が高く、種類も多いもののひとつ、それがソレアだ。ソレア・デ・アルカラ、ソレア・デ・トリアーナ、ソレア・デ・カディス、ソレア・デ・ウトレーラ、ソレア・デ・フアニキ……地名や人名のついたソレアは、古今東西、あまた存在してきた。このソレア、正式には複数形でソレアレスと呼ぶ。標準スペイン語ではそれぞれ「ソレダー」「ソレダーデス」となる。その意味は「孤独」。複数形だと、「寂しい場所」という意味も生まれる。筆者手持ちの辞書には、感心なことにアンダルシア弁である「ソレア」「ソレアレス」も別項として載っている。
 では、ソレアは本当に「孤独」で「寂しい」曲なのだろうか。それだけなら、さまざまある12拍子系随一の人気を誇る曲になりえただろうか。

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