天才チューリは今
フラメンコギターの深みをピアノで表現した傑作「ピアノ・ホンド」(‘03)からはや20年、かつては天才“チューリ”とあだ名されたディエゴ・アマドールの新作「沈黙は金(El silencio es oro)」(’23)は、大先輩カマロンとパコに捧げたアルバムです。
近年はサルサとのフュージョン「僕はトレスミル生まれ(Soy de Las 3000)」(’17)や、ラテン・ボレロのカヴァー集「ビビール」(’19)を始め、欧米ジャズやポピュラー路線方面での活躍が目覚ましかったディエゴですが、久々に本職フラメンコ路線へと舵を切り、カマロンの名曲の数々をカヴァーしています。
複数の楽器を操り、カンテも歌って、作曲もする、スーパーマルチインストゥルメンタリストの先駆け的な存在で、スタジオ録音では存分にその才能を発揮していましたが、音楽技術の急速な進歩もあり、現在はステージでその雄姿を披露するツアー「ナランホス・エン・ラ・ルナ(Naranjos en la luna)」を敢行中です。直近では明日、11月10日にマラガ、来年2月にはベヘール(17日)とセビージャ(24日)で開催予定です。