セビジャーナス・クラシカス・デ・オブレゴン

今回取り上げるのは、これまで紹介した踊り用の華やかなものと趣きを異にする、ピアノの弾き語りによるセビジャーナスだ。この11月に新作『J:ビヨンド・フラメンコ』が公開になるカルロス・サウラ監督が手がけた、初のフラメンコ・オムニバス映画『セビジャーナス』に収録されている。演奏しているのは、20世紀を代表するフラメンコ・ピアニストのひとりで数々のヒット曲を生み出したマヌエル・パレハ=オブレゴン。

1933年セビージャに生まれ、1995年同地に没した生粋のセビージャっ子だった。アンダルシア文化に立脚したその作品は3000曲を数え、最大のヒットメーカーであるレオンやキロガと組んでさまざまなアーティストに楽曲を提供していた時期もあった。カンシオン(歌謡曲)、ロシオ巡礼祭のための聖母賛歌『サルベ・レジーナ』などでも名を馳せるかたわら、フラメンコ・ピアニストとしてはセビジャーナスやファンダンゴ・デ・ウエルバの作曲・演奏で特に知られた。
そのパレハ=オブレゴンが映画『セビジャーナス』の中でみずから唄いながら聴かせるセビジャーナスは、セビジャーナス・クラシカスと呼ばれる。彼にとって晩年の作品となってしまったこのセビジャーナスは、4つそれぞれが違った表情をたたえ、しっとりとした味わいを醸し出す。先ほど「踊り用のものとは趣きを異にし」と書いたが、このピアノに似合う大人の踊りを添えているのが、やはりセビージャの名花マティルデ・コラルと夫君ラファエル・ネグロ、そして娘のロシオ。セビージャっ子らしく、普段着ながら実にお洒落な踊りを、バリエーションをきかせながら披露していて、それがなんとも粋だ。

3000曲という膨大な作品を遺した、セビージャ出身のマヌエル・パレハ=オブレゴン。彼が送り出した“大人のセビジャーナス”は、発表から20余年を経た今も、個性あふれる雰囲気は色褪せることなく、独特のゆったりした世界観で人々を魅了している。
その内容を詳しく見ていくと、4番のうち3番は、セビージャへの愛に満ちたものとなっている。実はどうしたいきさつか、ビデオクリップと映画のサントラ盤では収録順が違う。ビデオクリップでは、セビージャの風物と関係しないレトラが3番に置かれ、20世紀初頭のスペイン王室をめぐる歴史ロマンを4番に置いて全体がしめくくられる。ところがサントラ盤では、その3番と4番が逆になっているのだ。いったんセビージャを離れふたたび戻るか、セビージャのさまざまな姿を紹介してラストはより広い世界に羽ばたくか、どちらの考え方も成り立つだろうし、いずれもしめくくりにふさわしくドラマティックなメロディーに仕上げられているので、あとは演者の好み次第になるだろう。
1番には、名高いセビージャの春祭りを想起させるような同地の風物詩が並ぶ。勢い余って「月や太陽、花」までセビージャのものになっているのはご愛嬌だが、街の守護聖母であるビルヘン・デ・ラ・マカレーナ、そのトリアーナ地区側の姿であり涙の聖母として知られるエスペランサ、ヒラルダの塔、カーネーションなどは、いかにもセビージャに似合うアイテムだ。さらに2番となると、セビージャを貫いて流れるグアダルキビール河を舞台にした恋人との逢瀬が描かれる。リフレインのようにはさまれる「トリアーナ」は、グアダルキビール河にかかる美しいトリアーナ橋を彷彿させる。途中「hechura(エチューラ)」(出来映え)という単語が出てくるが、オブレゴンはこれを軽く「ヘチューラ」のように発音しており、それがまたアンダルシアらしい風情をかもしている。

Letra

1.


Sevilla tiene una cosa
que sólo tiene Sevilla.


Que sólo tiene Sevilla
luna, sol, flor y mantilla
una risa y una pena
y La Virgen Macarena
que también es de Sevilla.


Que también es de Sevilla
aromas de clavellina
La Giralda y sus campanas
La Esperanza de Triana
que también es de Sevilla.


Que también es de Sevilla
y Sevilla por tener
tiene la gloria en su mano
a Jesús del Gran Poder
¡que también es sevillano!



2.


Cuando paso por en puente
Triana, contigo vida mía.


Cuando paso por el puente
Triana, contigo vida mía
Triana, contigo vida mía
pa mirarte solamente
Triana, me muero de alegría.


Porqué tienes unos ojos
Triana, igual que dos luceros
Triana, igual que dos luceros
y una clase de hechura
Triana, que vale el mundo entero.


Si por otro me dejaras
Triana, de pena moriría 
cariño, te quiero y te querré
eres mi norte, mi guía,
¡Triana!  ¡Triana, y ole!



3.


Dios quiso crear el vuelo......


Dios quiso crear e vuelo
y por eso le dio alas 
al los pájaros del cielo
Dios quiso crear el vuelo.


También creó el firmamento
repartiendo por el mundo
las semillas de los vientos
También creó el firmamento.


Y por eso que la gente
lucha contra la cadena
con el espíritu valiente
pues libre nació la gente.



4.


Cartas iban y venían
desde Londres a Madrid.


Desde Londres a Madrid
cartas iban y venían 
desde Londres a Madrid,
Yo estoy loco, vida mía,
lo mismo que tú por mí.


Lo mismo que tú por mí
en el palacio de oriente
todo risa juvenil
Doña Cristina sonríe
viendo a su hijo tan feliz.


Qué bien parece
Doña Victoria Eugenia
qué bien parece
¡Doña Victoria Eugenia 
y Alfonso trece!

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