ロサリオ・ロペス
アギランド(ビジャンシーコ)
2023年6月4日
1年を通して、スペインにはさまざまな宗教行事がある。三月のセマナ・サンタ(イースター)、続くフェリア、初聖体拝領祭、聖母マリアにまつわる一連の祭(巡礼祭、被昇天祭、無原罪の御宿り祭)……などなど。その最後を飾るのが、12月に控えるクリスマスだ。実際にはスペインを含めたカトリックの国の伝統では、翌年1月6日の「三賢人の日」、すなわち「公現節」までクリスマスシーズンが続く。この三賢人とは、メルキオール、バルタザール、カスパール。ベツレヘムの星を目にした彼らが東方から旅をし、聖母マリアとみどりごイエスのもとに辿り着いたのが1月6日だったのだという。彼らが贈り物として持参した黄金、乳香、没薬(もつやく)にちなみ、子どもたちは12月25日の朝でなく、1月6日にプレゼントをもらうのが古くからの習わしだった。なお、日本と違い、新年は文字通り「新しい年の始まり」に過ぎない。幸福を願う12粒のブドウを食べたり、祝宴をひらいたりと盛り上がりはするが、祝日なのはいわゆる元日のみ。2日からは普通に街が動き出す。