
バロック様式のサンタ・マリア(聖マリア)像 foto : S.Nakaya
〝エンデカシラボ=11音節〟も!
先週のアントニオ・マイレーナによる、伴奏&パルマ付のブレリア・ポル・ソレア調ロマンセとは異なり、市井のノンプロヒターノたちが身内の集いで唄ったものは「セコ」で「リブレ」(無伴奏&フリーテンポ)が主流でした。ざっくばらんに言えば、リズムやテンポにおいては、先導するギタリストもパルメーロもいない、完全なる唄い手まかせで、独りだけのわが道をゆく自由世界。そうした状況では「ロマンセは8音節(オクトシラボ)」という、詩世界の〝常識〟もあっさり消え去り、時には11音節(エンデカシラボ)まで、実に自然な流れで登場します。もちろん、当時唄っている本人が、こうした〝音節〟をカウントしていないのは、言うまでもありません。