1976年、スペイン国営テレビ(TVE)放送のグイトのカンシオン・ポル・ブレリア。ギターはアントニオ・ロサーダとアンヘル・コルテス

正統派バイラオールの歌声

 カンテとバイレの二刀流と言えば、20世紀を代表する〝ソレアの王者〟こと、エル・グイト(1942年生まれ)を思い出すファンも多いことでしょう。エレガントなストイックさに定評あるハードボイルド・バイレとは対照的に、本稿ご紹介のカンシオンの演唱時には、感情も露わな一人の男の素顔が覗きます。

 歌われるのはいわゆる名曲メドレーで、「Qué mala memoria tienes(忘れる君)①」「Algo de mí(僕の何か)③」「Corazón Loco(狂った心)④」など、一度は聴いたことがあるかもしれません。「Qué mala memoria...」は、日本の歌い手、瀧本正信さんも得意としていて、かつて何度もライヴで耳にした記憶がよみがえりました。④の内容は率直とはいえ、現代のコンプライアンスではNG扱いの内容です。音楽も時代ともに刻々と移り変わってゆきます。

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