モデルは〝名人ペリコン〟
「ぺピート・イ・パキート」(′24)の4曲目のアレグリアスは、現在でも歌われる定番歌詞がズラリと並ぶ、いわばスーパースタンダードと呼べる内容です。どのレトラも聴いたことがある……と思いきや、実はペリーコのアンソロジーこと、「アントロヒア・デル・カンテ・フラメンコ」(′54)の9曲目、名人ペリコン・デ・カディス(1901~1980)が歌うアレグリアスと、レトラの内容や節回しが全く同じなのです。オリジナルの仏盤発売から約5年後ですが、その当時から同作品がフラメンコたちの規範になっていたことがうかがえます。