20代前半のカマロンと8歳上のパコ・セペーロ。「カンテ・フラメンコの祭儀と地理/グラナダからラ・ウニオンへ」(Rito y geografía del cante flamenco/De Granada a La Unión/1972年1月8日放送/TVE)より。

早獲れの産地で

 1970年代前半、上掲写真の映像中で歌われるカマロンのレトラの一つ目は、タランタの古典の一つとして有名なもので、アルメリアの早獲れ農作物をテーマに始まります。いっぽう現代のアルメリア県南西部は、上空から見ると真っ白な「プラスチックの海(Mar de Plástico)」と異名を取る、3万ヘクタール以上(東京ドーム約6400個分)のビニールハウス農業が盛んな地域であり、国内のみならずヨーロッパ北部への供給地として、大規模に発展しているのです。レトラからその土地が持つ昔の文化的背景がうかがえるのも、カンテを聴く楽しみの一つです。

【こちらは有料記事です】

続きを読むには「ログイン」して下さい。

ご購読いただくと続きをご覧いただけます。

           今すぐ会員登録して続きを読む

コメントを残す