
新星と巨匠の共演
いきなり「ソイ・カナステーラ…」と口火を切り、ロ・フェロ会場のフラメンコファンは一気にテンションが上がったことでしょう。「カナステーラ」の直訳は「カゴ作りの女性」ですが、フラメンコ界では誇るべき血統「ヒターナ(スペインに住むロマ民族の女性。旧称ジプシー)」を意味するからです。昔、彼らの職業が川岸のアシなどを用いた手製のカゴ作りだったことに由来しています。
このエスメラルダ・ランカピーノはまだ18歳(2006年9月28日、プエルト・デ・サンタ・マリア生まれ)。日本ファンには馴染み深いチクラナの大ベテラン、アロンソ・ヌニェス〝ランカピーノ〟(1945年生まれ)の孫娘にあたり、幼少期からランカピーノ・チーコ(1988年生まれ。ランカピーノの息子)と共にメディア出演も多く、一族のファンの方々はもうすでにご存知かもしれません。