ロマンセの名手たち。チョーサ、アグヘータ・ビエホらの中央にネグロがいる。1982年発売「Magna Antología del Cante Flamenco」(HISPAVOX)の大判ブックレットより。

暗黙と省略の美

「彼の物事の語り方というのは、驚くべき省略法を用いる。それほど重要でない箇所の長いディテールを、その後、本当に面白い部分を凄いスピードですっ飛ばすために使うのだ……」(ゴンサロ・ガルシアペラジョ/「ホセ・エル・ネグロ」(′76)掲載の献辞より)

 当時ネグロのLPプロデューサーだったゴンサロ氏のこのコメントは、筆者の長らくの疑問を氷解させました。ネグロの歌うロマンセの幾つかは、まさしくこの典型に、ピタリと当てはまるからです。

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