トロンホ兄弟
セビジャーナス ハマス・メ・キセ
祭りに欠かせないのがセビジャーナス。定番のものから新しく作られるものまで、セビジャーナスの世界は毎年更新されて広がっていく。それに合わせて人々は踊り歌い奏で、文字通りの春を満喫するのだ。
セビジャーナス ポル・ラ・シエラ・デ・アルメニア
フラメンコ界にも有名な兄弟姉妹はいろいろいる。たとえばウトレーラのフェルナンダとベルナルダ姉妹、ニーニャ・デ・ロス・ペイネス(パストーラ)とトマス・パボンとアルトゥーロのパボン兄弟、ラモン・デ・アルヘシーラスとペペ・デ・ルシア、パコ・デ・ルシア兄弟、最近ならファルキートとファルー兄弟……。そして、前回から取り上げているパコとペペのトロンホ兄弟も、忘れてはならない。もっともフラメンコ界においては、彼らはライバルと言うより常に支え合い、高め合う存在、という印象が強い。
セビジャーナス ケ・ノ・テ・キエラ
こちらもフラメンコのテーマとしておなじみ、禁じられた恋が登場する。ここで、confesorという、あまり耳慣れない単語が登場する。その意味は「聴罪司祭」。カトリックにおいて、懺悔を聞き届けてくれる専門の司祭だ。
セビジャーナス ポル・ラ・マニャーナ
以前にも、ロシオ・フラードがカルロス・サウラの映画『セビジャーナス』の中で歌った「「Lo tire al pozo(井戸に捨てたわ)」を取り上げた。このようにひとつひとつ独立したセビジャーナスは、これまで見てきたもの(「Pasa la vida」や「Mira a la cara」)のように、3連目のリフレインが共通してはいないし、そもそも4番までがセットでもない。したがって、好きなように組み合わせることができる反面、とりわけ踊りに使う場合は、どれを歌うかあらかじめギタリストに伝えておかないと、とっさにキーを合わせてもらえない可能性があるので多少の注意が必要だ。しかしこちらの形式のほうが、型にはまっていない、本来のセビジャーナスの楽しさが味わえると思うのだがいかがだろうか。