エンリケ坂井

ビジャンシーコ
アギランド(ビジャンシーコ)

1年を通して、スペインにはさまざまな宗教行事がある。三月のセマナ・サンタ(イースター)、続くフェリア、初聖体拝領祭、聖母マリアにまつわる一連の祭(巡礼祭、被昇天祭、無原罪の御宿り祭)……などなど。その最後を飾るのが、12月に控えるクリスマスだ。実際にはスペインを含めたカトリックの国の伝統では、翌年1月6日の「三賢人の日」、すなわち「公現節」までクリスマスシーズンが続く。この三賢人とは、メルキオール、バルタザール、カスパール。ベツレヘムの星を目にした彼らが東方から旅をし、聖母マリアとみどりごイエスのもとに辿り着いたのが1月6日だったのだという。彼らが贈り物として持参した黄金、乳香、没薬(もつやく)にちなみ、子どもたちは12月25日の朝でなく、1月6日にプレゼントをもらうのが古くからの習わしだった。なお、日本と違い、新年は文字通り「新しい年の始まり」に過ぎない。幸福を願う12粒のブドウを食べたり、祝宴をひらいたりと盛り上がりはするが、祝日なのはいわゆる元日のみ。2日からは普通に街が動き出す。

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ティエント
ティエント

フラメンコというとどうしてもブレリアやアレグリアスのような12拍子が思い浮かぶが、2拍子、3拍子、4拍子、6拍子など豊富なバリエーションがあってこそ、フラメンコの楽しみも存在するというものだ。
 その中で、2拍子系の代表格といえば何といってもタンゴだろう。

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アレグリアス
アレグリアス

スペインにあまたある民族舞踊の中でも、ことに名高いアラゴンのホタを、アンダルシア最西端の町カディスに定住したヒターノが取り入れて生まれたのが、アレグリアスとされている。辞書を見るとalegríaの項には「喜び」とある。しかしそれは、単純に浮かれ騒ぐだけの「喜び」ではない。明るい節まわしの中に人生の哀歓をたっぷり織り込んだ、実に奥深い喜びなのだ。

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