<月刊パセオフラメンコ名作アーカイブ/2004年4月号)

第184便  「貧乏物語」

                                      文/堀越千秋(画家)

 金が無い。

 世の中には沢山あるのに、こっちへ回って来ない。師走に支払うべきあれこれの金が無いなんていうのは、はなはだ面白くない。

 原因はひとつ。収入より支出が多い。しかし、こうしてスペインでごろごろしていて、収入というものがあるという方がむしろ不思議なようでもある。よく分らない。考えると頭痛がしてくる。おや、おめえもかい、タナカ。 

   しかし、金が無いほどに元気になるというのも、また貧乏人の特長である。熱いフライパンの上にバッタをのせてごらんよ。な、若林。

 

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