2019年に「ラス・マラス・レングアス」でデビュー以来、狂気と深淵を唄える稀有な若手としてプーロファンから熱く支持されるマリア・ヘスス・ベルナル。カンテの街プエブラ・デ・カサージャ出身、フラメンコ愛好家の父親はテレモートとアグヘータファン、本人はフェルナンダ・デ・ウトレーラやカネラ・デ・サンロケを敬愛するという筋金入り。アントニオ・カリオンの巧みな伴奏が、ペジスコに満ちた唄いぶりを引き出し、ペーニャ聴衆の熱狂を呼ぶ。映像タイトルの「マチョ・デ・マリア・ボリーコ」とは〆の部分で、アントニオ・マイレーナも歌っていた19世紀のマリア・ボリーコのレトラ。(中谷)